【開催レポート】「ナーチャリングは終わったのか? 情報過多時代に『選ばれる会社』のコンテンツ戦略」

2026年5月21日(木)、22日(金)の2日間にわたり、「ナーチャリングは終わったのか? 情報過多時代に『選ばれる会社』のコンテンツ戦略」をオンラインにて開催いたしました。

「本当に見込み顧客は育成できるのか?」という問いを出発点に、情報があふれる現代においても選ばれる会社になるためのコンテンツ戦略について、BtoBマーケティングの知見を持つ8社が登壇。上司から「アイミツをとってきて」と言われた担当者に、いかにして候補リストへ入るか —— 各社の実践知をもとにお届けしました。
以下各セッションレポートをお届けします。

◆ 各社セッションレポート
Session 01
toBeマーケティング株式会社 小井土 修也氏
現在のBtoB購買プロセスから読み解く「選ばれる」理由
顧客はAIを使って情報収集・比較検討を完結させ、自社サイトへ訪問する前に既に候補を絞り込むようになっており、従来の長期ナーチャリングはもはや機能しにくくなっていると語りました。対策として、構造化/非構造化データをしっかり整備し、現場で活用できるレベルで整理することを挙げた上で、個人ではなく企業単位で接点を広げるスコアリングへの転換(「点ではなく面で捉える」)が現実的な打ち手になると説明されました。
Session 02
株式会社CAC identity 木村 雄飛氏
『とりあえずコンテンツ量産』は逆効果?
AI検索時代に『最初に見つかる』ための情報構造化とLLMO戦略
AI Overviewの台頭により、検索1位のページでもクリック率が半減するケースが出てきており、SEOだけで集客を完結させようとしている会社は、早急に戦略を見直す必要があると問題提起されました。その上で、①競合のいないニッチ領域へのポジショニング確立、②AIが自社をどう認識しているか分析、③独自調査・事例などの一次情報の構造化、という3ステップがAIに選ばれるための重要な実践アプローチとして提示されました。
Session 03
アイティクラウド株式会社 野口 拓海氏
比較の場で勝つためには?AI検索時代の情報設計
「製品ページをしっかり読んでもらう段階よりも、もっと前の段階でコンペになっている」と述べ、比較検討が自社サイト訪問前にほぼ完了している現状を解説されました。AIに正しく認識・引用されるためのポイントとして、①AIが読みやすい文書構造の整備、②主語と対象の関係性を統一したエンティティ設計、③レビューなど第三者情報の蓄積と構造化の3点が示され、同社が運営するIT製品レビューサイトでAIからの引用率が向上した事例もあわせて紹介されました。
Session 04
Crevo株式会社 寺田 春子氏
受注率を向上させる!商談前動画の重要性とは?
営業担当者が100の熱量で説明した情報も、担当者・顧客・決裁者と渡るうちに30程度まで目減りしてしまう——この情報伝達ロスの構造を図解で示しながら、解決策として「営業前動画」の活用を提案。動画によって説明ムラや予備知識不足を補い、商談時間を傾聴・与件整理・提案に充てられるようになること、そして効果的な動画には「課題提起→自社紹介→信頼獲得→先回り説明→顧客利益への宣言」という王道構成があることを、実制作事例をもとに解説されました。
Session 05
株式会社ネクプロ 茂木 優弥
選ばれる会社がやっているウェビナー企画とその内容
〜人にしかできない事とは?〜
情報収集・論理整理・成功パターンの抽出はすでにAIが得意とする領域であり、同じ土俵で戦っても集客は苦戦するばかりだと警鐘を鳴らしました。一方で、意思決定の背景・感情・失敗体験を盛り込んだストーリー性のある企画や、一次情報を熱量を持って話せる登壇者の選定はAIには代替できないと話し、そうした企画づくりへのシフトを呼びかけました。録画の疑似ライブ配信を活用してリソースを抑えながら成果を最大化する手法も紹介されました。
Session 06
株式会社IDEATECH 競 仁志氏
嫌われるホワイトペーパー、喜ばれるホワイトペーパー、何が違う?
ダウンロードしたホワイトペーパーが「参考にならなかった」と感じた経験があると答えた人が87%にのぼるという調査データを挙げ、「自分ごと化」できないコンテンツは読まれなくなっている現状を報告。好まれるホワイトペーパーの条件として、①業界・規模に特化した内容、②一次情報・調査データの活用、③課題や失敗も含めた誠実な開示の3点をまとめ、業界特化型コンテンツは一度作成すれば調査レポート・ウェビナー・メルマガなど多用途に展開できる点も伝えられました。
Session 07
株式会社ラクス 佐藤 廉氏
顧客に忘れられないメール戦略
顧客は検討を始める際、まず「記憶にある会社」に声をかける——だからこそ、継続的なメール配信で記憶に残り続けることが比較検討の筆頭候補に入る条件になると解説。週1回以上の配信が記憶定着に有効なこと、失注顧客の56%以上が再商談に応じてくれるというデータが示されました。また、長期間無反応だった顧客が突然クリックする「お久しぶりクリック」を再検討のサインとして捉え、能動的にアプローチすることで通常の3~4倍のアポ率・受注率が得られると示唆されました。
Session 08
株式会社エンファクトリー 小宮山 雄宇氏
「描いたジャーニーが機能しない」のはなぜか?
自社完結の限界を突破し、プロの知見で施策を"線"につなげる外注戦略
マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス…と分業が進むほど顧客体験が断片化しやすくなるという構造的な問題を整理した上で、専門性を持つプロ人材をピンポイントでアサインすると短期間での仮説検証が可能になると説明。ただし、目標設定があいまいなままでの丸投げは成果につながらないと注意を促し、課題整理・要件定義・伴走ディレクションをセットで進めることが外部人材活用を成功させる鍵だと締めくくられました。

本ウェビナーはマーケティング担当者、ウェビナー担当者の方を中心に多数ご参加いただき、終了後のアンケートでは、「AI検索に関するセッションが特に刺さった」「メルマガの配信リスト見直しに取り組みたい」「サイトリニューアルの検討課題を把握できた」など、具体的な次のアクションにつながったというお声をいただきました。

引き続き、現場に根ざした知見をお届けできるよう努めてまいります。

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